演奏会で演奏したい、大会にチャレンジしたい。そんな目標を掲げる生徒さんを、先生は全力で応援しています。
ただし、どちらの場合も、技術的にもマインドも、ある程度のレベルに達しないと、先生の許可はでません。
厳しいな~と思う人もいるかもしれませんが、人前で演奏するというのは簡単なものではありません。先生も心を鬼にして決めていることなんです。
それもこれも、すべては生徒さんの成長のため。
最近では、教室生徒さんでも、大会の個人戦にチャレンジする人が増えてきました。
課題曲の津軽じょんがら節を、大会の舞台で弾こうと思うと、マインド面がさらに強くなければ、本番で自分に負けてしまいます。
さらに言うと、津軽三味線という楽器は、弾く人の性格や想いが演奏に出やすい。
不安や弱気な気持ちは、そのまま音に出るし、気持ちを込めて弾かないと、聴く相手に何も伝わらない演奏になってしまうんです。
だから先生は、大会にチャレンジしたい生徒さんに、「本気になれ」と言います。そして、「気持ちを込めて演奏しなさい」と。
表現するというのは、頭で考えてできるものでも、理屈でなんとかなるものではないんです。
今月のレッスンで、秋の大会出場を目指しているジュニアの生徒さんが、先生テストに挑みました。
彼がこれまで自主的に練習を頑張ってきたことも知ってますが、合格できるか、不合格になるのか、最後の最後までわかりませんでした。
ところが、先生に「最後にもう1回だけ弾いて」と言われ、じょんがら節を演奏し始めた生徒さんは、、、ついに本気を出したんです。
今思い出しても涙がこみ上げそうなくらい、これまでで一番の演奏でした。
演奏のクオリティーがいいとか、そういうこととはまた別の、「絶対合格してやるんだ!」という心の底からの強い想い。それが演奏で表現されたんです。
これこそ、先生が長年、彼から引き出したかった部分でした。
演奏が終わると先生は立ち上がり、「よー頑張ったな!合格や!おめでとう!」と生徒さんに握手を求めました。(先生の目にはうっすら、涙が滲んでましたよ)
そして、生徒さんも嬉しさのあまり大号泣でした。
先生テストの合格おめでとう!
さあ、これから秋の大会に向けて、改めて計画・目標を立て、練習に取り組んで、もっともっと、自分の演奏に自信をつけていきましょう。
大人でも、本気になることや表現することが難しい、わからないという人が実は多いです。
でもこういうのって、人に手取り足取り教えてもらうことじゃありません。自分がどうしたいか、どうなりたいかで、結局は、自分で決心するしかないんです。
本気になると、津軽三味線の演奏は一変する。
倭奏の生徒さんでも、本気になった人たちは、着眼点が変わり、自己分析できるようになり、先生への質問も多くなり、大会や演奏会までの練習への取り組み方も、大きく変化しています。
難しく考えてしまってる人は、一旦思考をリセットして。目標地点の自分の演奏がどうなっていたいかをイメージすることから始めてみてください。