マイ三味線を購入しよう ~楽器購入の流れ~

マイ三味線の購入を検討されてる方へ、教室生徒さんのマイ三味線購入の流れをご紹介します。

三味線に限らず、楽器は高価です。先生に相談して、適切なアドバイスをいただき、事前に情報収集してからの購入をオススメします。

流派・先生によってそれぞれ考え・方針が違うと思いますので、今回ご紹介する購入の流れは、ほんの一例として参考にしてください。

事前準備:先生に相談し予算を決める

三味線とひとことで言っても、材木の種類やランクなどにより、値段は大幅に変動します。もちろん、高価なものほど音色や響きも良くなる傾向はありますが、上を見ればキリがありません。ただ、安すぎるのも大きなリスクが潜んでいます。マイ三味線購入を決めたら、すぐ先生に相談し、適切なアドバイスをいただきましょう。

三味線で使われる木の材質、胴の加工の有無をベースに、紅木の場合は棹の重量・密度・見た目など、あらゆる面で値段に差が出てきますし、高価な棹には、金ホゾと言う加工が施されたものもあります。

まずは素材の違いを知ろう

棹の材質

  • 花梨(かりん):紅木と比べると密度が低い
  • 紅木(こうき):インド産の木材、固くて重い※品薄で高価

胴の加工

  • 丸打ち胴:内側に加工がないもの
  • 綾杉胴:内側に波模様の加工が施されたもの

その他の加工

  • 金ホゾ:棹の分解部分の磨耗防止のために施された加工

これらの項目を決めることで、予算がおおよそ決定します。材木の種類をどちらにするかで、大きく予算も変わってきますので、まずは、ここから決めていきましょう。

値段・音色・品質・耐久性  =  紅木 > 花梨

と、すべてにおいて紅木が秀でており、一般的に耳にする津軽三味線の音色も、紅木の三味線です。紅木は、とても硬く、密度の高い木だからこそ、あの迫力ある音が出せるということを、まず知っておいてください。

ただ近年、インド産紅木の三味線の値段が高騰し続けている影響で、アフリカ産紅木など、代替木材を使った三味線も出てきました。紅木と言ってもインド産とは限らないのでご注意ください。

どんな楽器も高価です

「はじめは練習用として・・・」という理由で、花梨を選ばれる方もいますし、「ネットに安い紅木三味線が売ってた」とおっしゃる生徒さんも多々います。ただ、これだけは知っておいてください。

花梨は紅木と比べて、素材が柔らかいので、耐久性がないんです。

熱心に練習する方ですと、1~2年で棹の角がポロポロと欠けてしまい、音の響きが悪くなります。また、上達すればするほど、楽器の限界(力不足)を感じてきます。

楽器の力量に関して言えば、安い紅木でも同じことが言えます。鳴りや重量を比べてみるとすぐわかります。安いには安い理由があるのです。

習い始めは誰でも、自分がどれだけ三味線にはまるかわからないし、長続きするかもわからない。だから始めから高価な三味線を買うことに不安を感じるのもわかります。でも、三味線に限らず、楽器はどれも高いものだと理解し、その上で予算組みをしていきましょう。

予算内の三味線を手配してもらおう

先生に相談して決めた予算を、先生に報告しましょう。先生から和楽器屋さんへ連絡してもらい、教室では、その時に集められる棹をいくつか、頑張って手配してもらいます。

製造元の在庫の有無によっても集められる数も変わるかもしれませんし、手配に日数を要する場合もありますので、先生にお願いしてから手に入れたい時期(納品)まで、2ヶ月は余裕を持って動いてください。

和楽器屋さんで棹(さお)を選ぶ、注文する

和楽器屋さんから先生へ、手配の目処がたったと連絡があれば、先生と一緒に和楽器屋さんへ出向く日程を決めます。実際の棹選びまで、先生に同行してもらい、アドバイスをいただきながら決めましょう。

倭奏では、先生から三味線を販売するスタイルはとっていません。生徒さんが和楽器屋さんで対面で購入するためのコーディネートをしています。

購入後、メンテナンスや消耗品の購入などで、和楽器屋さんには頻繁にお世話になるため、購入時・納品時には、和楽器屋さんとしっかりコミュニケーションを取っておくといいですよ。

棹を選ぶ

和楽器屋さんが頑張って手配してくれた棹。ひとつひとつ、棹の特色を説明してもらいます。

生徒さんにとっては、わからないことだらけだと思いますが、楽器のプロ(和楽器屋さん)と演奏のプロ(先生)の、それぞれの視点からのアドバイスを元に、絞り込んでいきましょう。

倭奏 津軽三味線

必ず、実際に手に取り、握り、構えてみてくださいね。

作り手によって、若干棹の形状が違ったり、重さや握った感触に違いがあります。また、高価な棹ほど、棹の表面の「とち」の出方がすごいのでチェックしてみてくださいね。

どうしても自分で決められない場合は、先生に候補を絞ってもらうのも手です。後は、値段なのか、見栄えなのか、どこにポイントを置くかで、決められると思いますよ。

棹選びは、一番時間がかかります。焦らず、納得いく棹を選びましょう。

胴の品質や加工の違いを確認しよう

続いて、胴の説明をしてもらいます。この棹にはこの胴と、予め製作段階で決められているので、「棹はこっちで、胴はこれ」という風に、この段階で自由に組み合わせることはできません。

胴には、「丸打ち」と「綾杉(あやすぎ)」の2種類の加工の区別があり、胴の内側の加工のことを言います。

倭奏 津軽三味線

写真は綾杉胴。胴の内側に【波模様の彫り加工】が施してあり、内側に彫りのない丸打ち胴と比べて、胴の中の反響が増すため、音の伸びがぐんと良くなります。もちろん、加工が増える分、金額もアップしますが、本格的に頑張ろうと思う方や、せっかく買うならいいものをという方には、綾杉胴は選ばれています。

棹は紅木でも、胴は全て花梨を使っています。ただし、いい三味線には、質のいい胴が仕込まれます。そのあたりも、見比べてみてくださいね。

撥(バチ)を選ぶ

教室では、はじめての撥選びも重要だと思っているので、かならず先生のレクチャーの元、購入してもらっています。

津軽三味線には必ず、べっ甲製の撥を使います。とても高価ですが、初心者の場合は、比較的安価な価格帯のものを勧めていますので、ご安心を。

撥(バチ)も予算の範囲内のものを数本用意してもらい、気に入ったものを選んでいきます。

倭奏 津軽三味線

先生のレクチャーのもと購入する場合は、撥の試し弾きも可能です。

倭奏 津軽三味線

実際に弾いてみると、握り具合や重さ、べっ甲部分の固さなど、違いがあるのがわかります。難しいかもしれませんが、それぞれの撥の音の違いも、ぜひ聴き比べてみてください。

どうしても違いがわからない場合は、先生が生徒さんの1年後・2年後を見越してどの撥が合っているかアドバイスします。「今使いやすい」より、弾けるようになった自分が弾きやすい撥を選ぶのが重要なポイントです。

その他付属品を選ぶ

三味線、撥と大物が決まったら、最後に、付属品(胴掛け、根緒、駒、指すり、長袋など)を選びます。

倭奏 津軽三味線

胴掛けは、伝統的な津軽塗りのものもあれば、現代的な模様のものもあります。根緒と色の組み合わせを楽しみながら、好みの三味線にカスタマイズしていきましょう。

長袋は、三味線を片付けるときに使う袋で、全体を収納できるものをオススメします。湿気等を防ぐこともありますが、三味線を使う礼儀として、必ず長袋に包んで仕舞うように習慣づけていきましょう。

その他付属品が決まれば、これでオーダー完了です。オーダー後のキャンセルは、ご遠慮ください。

胴仕込み、皮張り

オーダー後、胴を仕込んだり、皮を張る作業に入ります。すでに胴が仕込まれていれば、皮張りの作業のみとなり、約1週間ほど日数を見てください。(胴の仕込みがこれからの場合は、プラス数週間かかります)

マイ三味線、納品

三味線が完了したら、和楽器屋さんより納品連絡があり、納品となります。お支払は、納品時にお願いします。

倭奏 津軽三味線

ひとつひとつ、目で見て、触れて、相談して決めた世界にたった一つの、オリジナルの津軽三味線。上達して、いい音色を響かせましょう!


編集スタッフ:松永奈美
倭奏津軽三味線教室スタッフ(ときどきアシスタント)
先生と同じ松永ですが、あくまで本名。アラフォーながらあらゆる大会に絶賛チャレンジ中。

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倭奏(わかな)津軽三味線教室
主宰・講師・津軽三味線奏者:松永訓明

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